悠琉、今日はパパとママについて少し話そう。
パパとママは付き合って3年で結婚したんだけど、実はパパは、付き合ってるときに1回だけママに別れを告げられてるのだよ。
「私は子どもができない体だから別れましょう」
と言われたんだ。
パパは1秒後には、
「なんで?別にエエやん」
って言った。
別に良い人ぶりたいとかじゃなくて、ホンマに子どもとかどうでもよかったから。
パパは結婚願望も無くて、でも結婚するならこのコやなと思ってたけど、子どもが欲しいわけでもなかった。
だから即答したんよね。
絶対に子どもできないっていうわけではなかったから、治療すればいいし、パパはどこだって仕事ができるわけだから、治療に専念できる良い病院の近くに引っ越せば良いしと思ってた。
できなかったらできなかったで、ママと2人で人生を楽しもうと思ってた。
ところがよ、結婚式が終わって、じゃぁ治療していこうかっていう話をしてたときに、悠琉がお腹の中にいるということがわかったんだ。
すでにいたんだよ、キミが(笑)
悠琉は奇跡の子だったんだよ。
で、悠琉には申し訳ないけど、悠琉の命が誕生したことよりも、ママに子どもができたことの方が嬉しかった。
愛する人の求めていたものが手に入ったことが嬉しくて、「おめでとう、良かったね」ってママに言ったんだよ。
申し訳ないけど、悠琉がパパとママの元に来てくれたことに「ありがとう」って思ったのは、悠琉が生まれてきてからだ(笑)
そこからパパが悠琉を溺愛してるのは言うまでもないけど。
まぁ、とにかく、ママの願いを叶えてくれてありがとう。
子どもってね、どんなに健康な人でもできないときはできないし、無理だって言われててもできるときはできるんだ。
ご先祖様からの授かりものだからね。
もっと言うと、パパとママをめぐり逢あわせてくれた人がいてね。
その人がいなければパパとママは出逢ってないから、当然、悠琉も生まれてないんだ。
いろんな奇跡が重なって悠琉はいる。
それだけはわかっといてほしいな。
奇跡の命だし、奇跡の人生だから、絶対に自由に生きてほしい。
悠琉はパパとママから生まれたけど、パパとママの分身じゃないし一部分でもないからね。
完全に個別の生きものだ。
パパとママの所有物じゃない。
誰かの真似をしなくてもいいし、誰かに従う必要もないし、みんながやってることをやらなくてもいい。
パパもママもそうやって生きてきたし、パパとママの友達もそうやって生きてるし、これからもそうやって生きていく。
個別の掟で生きていけ。
共同体の掟なんかクソ喰らえだ。
パパは悠琉に目一杯の愛情を注ぐし、できるだけたくさんの選択肢を用意してあげる。
それだけだ。
PS
そうそう、ママと悠琉と一緒に観たい映画を見つけたで。
世界中のいろんな家族の愛のカタチを知ることは素晴らしいことだ。
そして、境遇や条件が違ってたとしても、良いと思ったことはどんどん真似すればいい。
いつか一緒に観ような。
動画も残していきたいな。